早川玲(寺島しのぶ)、31歳。
フリーのルポライターをしてる彼女は、いつからか頭の中で聞こえるようになった"声"の存在に悩まされている。そのせいで不眠、過食、食べ吐きを繰り返し、アルコールに依存していた。 ある冬の日、コンビニで白ワインを探す彼女の目に、一人の男が飛び込む。 その男と視線があった瞬間、分離した玲の心は"あたし"を感じる。
男はすれ違いざま彼女の体に触り、それを合図するように、コンビニを出て行く男の後を追う玲。コンビニの外、
トラックの運転席に座る男が見える。
トラックに乗り込む玲に男が言う「ようこそ」。男は岡部希寿と言うフリーの長距離トラック運転手だった。ぎこちなく酒を飲みながら、やがてアイドリングの振動を感じながら二人は肌を重ねる。 「道連れにして」と言う玲を乗せ、トラックは東京から新潟へ向けて走り出した。 言葉を重ねながら、肌を重ねながら、男との時間に身をゆだねていく玲。気がつくと、頭の中の"声"は聞こえなくなっていた。
あるのは、もう体に馴染んだエンジンのアイドリングの音だけ……。
アナタの心には何が残りましたか?…
by美樹生
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